「実家に帰ったら、廊下が氷のように冷たかった」
「おばあちゃん、お風呂の段差でよろけてヒヤッとした」
1月下旬、気仙沼の寒さはこれからが本番です。
この時期、私たち介護職が最も恐れるのが、冷え切った家での「転倒」と「ヒートショック」です。
「危ないのはわかっているけど、リフォームはお金がかかるし…」
そう躊躇しているあなたへ。
介護保険を使えば、自己負担たったの1割(最大18万円が戻ってくる)で手すりなどを設置できることをご存知ですか?
今日は、ケアマネジャーの視点から、損をしない「住宅改修費支給制度」の仕組みと、気仙沼での申請方法をわかりやすく解説します。
1. 意外と知られていない「居宅介護住宅改修費」とは?

介護保険は「サービス(デイサービスやヘルパー)」だけでなく、「住環境(家)」を整えるためにも使えます。
「まだ元気だし、大掛かりな工事は必要ない」と思っている方こそ、ぜひ知っておいてください。
これは将来の寝たきりを防ぐための、とても使い勝手の良い制度です。
いくらもらえるの?
- 支給限度額: 1人あたり20万円(税込)まで
- 自己負担: 原則1割(所得により2〜3割の場合あり)
【計算例:1割負担の方が20万円の工事をした場合】
まず工事費の20万円をリフォーム業者に支払いますが、申請すると後から「18万円」が市から口座に振り込まれます。
つまり、実質2万円の持ち出しで20万円分の安全対策ができるのです。
※これは「償還払い」の場合です。
気仙沼市には、最初から1割分だけ払えば良い「受領委任払い」に対応している業者も多くあります。
2. こんな工事に使えます(気仙沼でよくある事例)

「バリアフリーリフォーム」というと大げさに聞こえますが、実はもっと身近な「困りごと」に使えます。
① 手すりの取り付け
- 玄関: 上がり框(かまち)の段差昇降用。
- トイレ: 立ち座りの補助用。
- 浴室: 浴槽をまたぐ時の転倒防止用。
- 廊下: 移動時のつたい歩き用。
② 段差の解消
- 部屋と部屋の間の敷居を削って平らにする。
- 玄関にスロープを設置する。
③ 床材の変更(滑り止め)
- ツルツル滑るタイル張りの浴室を、滑りにくい床材に変更する。
- 畳をフローリングやクッションフロアに変更する。
④ 扉の交換
- 重たい引き戸を、軽い力で開くアコーディオンカーテン等にする。
- 握りにくい丸いドアノブを、開けやすいレバーハンドルにする。
⑤ 洋式便器への取替え
- 足腰への負担が大きい「和式トイレ」を、立ち座りが楽な「洋式トイレ」へ変更する。
- ※暖房便座機能の追加など、単なるグレードアップは対象外になることがあります。
3. 【最重要】「工事をする前」に必ず相談してください!

ここが一番の落とし穴です。 この制度を利用するには、「事前の申請」が絶対条件です。
「急いでいたから、知り合いの大工さんに頼んで手すりをつけちゃった。あとで請求書出せばいいよね?」
→ 残念ながら、これは1円も出ません(全額自己負担になります)。
必ず、着工する前に市役所へ申請書類を提出し、許可を得る必要があります。
4. 申請には「理由書」が必要(ケアマネジャーの出番です)

申請には、「なぜこの工事が必要なのか?」を医学的・福祉的な観点で説明する「住宅改修が必要な理由書」という書類の提出が義務付けられています。
これは、私たちケアマネジャー(介護支援専門員)や、地域包括支援センターの職員が作成します。
「ただ手すりをつけたい」ではなく、 「右片麻痺があり、トイレでの方向転換時にふらつきが見られるため、縦の手すりが必要」 といった専門的な根拠を書くことで、スムーズに審査が通ります。
私たちリコケア コナーズの代表・浩平は、現役のケアマネジャーでもあります。
「リハビリ」だけでなく、こうした「住環境の整備」もトータルでサポートできるのが私たちの強みです。
私たちがなぜここまで「自立支援」や「環境」にこだわるのか。リコケア コナーズが目指す「改善させる介護」については、こちらをご覧ください。
▶「認知症は治らない」を疑え。気仙沼「リコケア コナーズ」が挑む“薬に頼らない”改善型リハビリ
5. 申請の流れ(5ステップ)

- 相談: まずはケアマネジャー(または地域包括支援センター)に相談します。
- 見積もり: 施工業者を選び、見積もりをとります。
- 事前申請: ケアマネジャーが理由書を作成し、市へ事前申請を行います。
- 工事・支払い: 市の確認が済んだら着工。工事完了後、業者へ支払いをします。
- 支給申請(還付請求): 領収書などを市へ提出し、後日指定口座へ給付費(最大18万円)が振り込まれます。
エピローグ:転ばぬ先の「手すり」を
「まだ元気だから大丈夫」
そう思っていた方が、たった一度の転倒で骨折し、そのまま入院・寝たきりになってしまう…。
そんな悲しい事例を、私はたくさん見てきました。
家の中の危険を取り除くことは、立派な「予防介護」です。
そして、介護保険は「困ったときに使うもの」ではなく、「困らないようにするために使うもの」でもあります。
「うちの親の場合は使える?」
「どこに手すりをつければいいかわからない」
そんな疑問があるなら、お近くの地域包括支援センターやケアマネジャーをおたずねください。
「家は安全になったけど、やっぱり一人暮らしさせるのは心配…」
そんな方は、気仙沼で使える「見守りサービス」の併用もおすすめです。
▶ 遠距離介護の限界を突破する「見守りサービス」と選び方のコツ
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