はじめに
「どうして、あんなに優しかったお母さんが…」
「私のやり方が悪いから、症状がどんどん進んでしまうんじゃないか…」
仕事から疲れ果てて帰宅し、理解できない行動をとる親の姿を目の当たりにするたび、ご自身を責めてはいませんか。
誰にも本音を打ち明けられず、先の見えない不安に、心が押し潰されそうになっているかもしれませんね。
大丈夫です。
その苦しみも、自分を責める夜も、もう終わりにできます。
あなたが今感じている絶望は、決してあなたのせいではありません。
それは、認知症という病気の本当の姿と、ご本人との心の絆を取り戻す正しい関わり方を知らないことから生まれる、ほんの少しの「すれ違い」が原因なのです。
この記事では、医療や薬だけに頼るのではない、ご自宅で親御さんとの温かい時間を取り戻すための具体的なリハビリ方法を、私の全ての経験を込めてお伝えします。
読み終える頃には、「私の介護が悪い」という重い呪縛から解放され、明日から何をすれば良いのかが明確に見えているはずです。
もう一度、親と心から笑い合える未来は、必ず創れます。
そのための確かな光が、この記事の中にあります。
どうぞ、最後までお付き合いください。
1. あなたは、決して悪くない

ご自宅での認知症の方との暮らしの中で、心がすり減るような思いをされていることでしょう。
しかし、まず最初に、そして最も強くお伝えしたいことがあります。
それは「あなたは決して悪くない」ということです。
1-1. 「昔の母はどこへ…」誰もが通る喪失感と罪悪感のループ
「昔の優しい母は、もうどこにもいない…」
そう感じて、深い喪失感に襲われるのは、あなただけではありません。
それは、これまであなたが親御さんを深く愛し、大切に思ってきたからこそ生まれる、極々自然な感情なのです。
以前はできていたことができなくなったり、時には心無い言葉をぶつけられたりすると、「自分の関わり方が悪いからだ」とご自身を責めてしまうのも、無理はないのかもしれません。
しかし、それはあなたがダメなのではなく、それほどまでに深く親を愛している証拠に他なりません。
まずは、これまでたった一人で頑張ってこられたご自身を、どうか認めてあげてください。
1-2. 脳の司令塔が“居眠り”しているだけ
ではなぜ、あんなに優しかった親御さんが、時として別人のように見えてしまうのでしょうか。
ごくシンプルに例えるなら、それは脳という司令塔の一部が、時々うとうとと“居眠り”してしまっている状態なのです。
普段はしっかりしている人でも、疲れてうたた寝をしている時に話しかけたら、少しちぐはぐな返事をしたり、夢の話と現実がごっちゃになったりすることがありますよね。
それと、とてもよく似ています。
認知症とは、記憶や判断などを担当する脳の一部が少しお休みモードに入ってしまい、情報の伝達がスムーズにいかなくなる状態。
だから、ご本人は全く悪気なく、少しだけ昔の記憶の世界に戻ってしまったり、違うことを言ってしまったりするのです。
決して、人格そのものが攻撃的になったり、意地悪になったりしたわけではありません。
この仕組みを心に留めておくだけで、これからのご自宅での暮らしが、少しだけ穏やかなものに変わっていきますよ。
2. 脳トレの効果がない理由

ご自宅でできる認知症のリハビリと聞くと、計算ドリルやパズルといった「脳トレ」を思い浮かべる方が多いかもしれません。
本来であれば、脳トレにも一定の効果が期待できます。
しかし、それだけではパズルの最後のピースが埋まらないのです。
2-1. 一般的な自宅リハビリの種類と限界
一般的に、ご自宅でできる認知症のリハビリには、以下のようなものがあります。
- 運動療法: 散歩や軽い体操で、体と脳の血流を促します。
- 作業療法: 編み物や料理など、手先を使う作業で脳を活性化させます。
- 回想法: 昔の写真や音楽をきっかけに、楽しかった記憶を語り合います。
- 学習療法: 計算や音読など、いわゆる「脳トレ」で脳機能の維持を図ります。
これらはどれも有効なアプローチですが、もしご本人が嫌がったり、義務のように感じたりすると、かえってストレスを与えてしまい、逆効果になることも少なくありません。
なぜなら、最も大切な視点が抜け落ちているからです。
2-2. リハビリの鉄則「評価→実践→測定」サイクル
「テレビで見た脳トレを試しているのに、一向に効果がない…」
ご自宅でのリハビリにおいて、多くの方がこうした壁に突き当たります。
その原因は非常にシンプルで、「ご本人の今の状態に、そのリハビリが合っていない」可能性が高いからです。
私が現場で500人以上のケアに携わる中で、結果を出すために必ず実践している鉄則があります。
それは、「①評価(アセスメント)→②実践→③測定」というサイクルを回し続けることです。
- 評価(アセスメント): まず、ご本人の「現在の状態」を正しく知ります。何が得意で、何が苦手になっているのか。どんなことに関心があるのか。いわば、目的地に向かうための「現在地の確認」です。
- 実践: 評価の結果に基づいて、その方に最適なリハビリ(脳トレの種類や難易度)を選んで実践します。現在地が分かっているからこそ、適切なルートを選べるのです。
- 測定: 実践してみてどうだったか、ご本人の様子(表情、集中力、言葉の数など)を観察し、変化を測定します。これが次の、より精度の高い「評価」へと繋がっていきます。
闇雲にリハビリを行うのは、地図を持たずに森を彷徨うようなものです。
この「評価→実践→測定」のサイクルを意識するだけで、あなたのご自宅でのリハビリは、「ただの作業」から「ご本人に寄り添ったオーダーメイドのケア」へと劇的に変わります。
これこそが、私たち専門家が最も大切にしているプロの視点なのです。
2-3. 専門家はココを見る!自宅でできる観察アセスメントの3つの視点
「評価(アセスメント)が重要と言っても、専門家じゃないから難しい…」と思われるかもしれません。
ご安心ください。専門的なテスト以上に、ご家族にしかできない、最も重要な評価方法があります。
それは「日々の暮らしの中での変化に気づくこと」です。
私が、ご家族に必ずお聞きするのが、以下の3つの視点です。
- 「会話」の変化: 同じことを繰り返し聞く頻度は増えたか、言葉に詰まることが多くなったか、テレビを見ての感想が減ったか、など。会話は思考の窓です。
- 「行動」の変化: 昔からの趣味(編み物や囲碁など)への関心が薄れていないか、料理の段取りや味付けは変わらないか、探し物が増えていないか、など。日常の行動にこそ、その方の「できること」のヒントが隠されています。
- 「感情」の変化: 以前より怒りっぽくなった、ささいなことで不安がるようになった、逆に表情が乏しくなった、など。感情の起伏は、脳がストレスを感じているサインかもしれません。
これらの「小さな変化」に気づくことこそ、ご本人に寄り添うリハビリの第一歩。
これほど精度が高く、温かいアセスメントは他にありません。
2-4. 逆効果?正しい評価を妨げるNG行動3選
ご本人を想う優しい気持ちからくる行動が、かえって正しい「評価」の目を曇らせ、効果的なリハビリを妨げてしまうことがあります。
特に多くのご家庭で見られる、3つのNG行動をお伝えします。
- 先回りして全部やってあげる: 危ないから、時間がかかるからと手伝ってしまうと、ご本人が「今、何ができて、何ができないのか」を正しく評価する機会を奪ってしまいます。まずは見守る姿勢が大切です。
- 言動を「それは違う」と訂正する: ご本人の世界観を否定すると、自信を失い、自発的な行動や発言が減ってしまいます。それでは、その方の本来持っている力を評価することができません。
- 「さっきも言ったでしょ」と正論を言う: ご本人を萎縮させ、不安な気持ちにさせてしまいます。リラックスできていない状態では、その方の本当の状態や能力を正しく把握(評価)することは不可能です。
これらの行動は、ご本人のできることを減らしてしまうだけでなく、私たちが適切なリハビリを見つけるための、大切なヒントまでも見えなくしてしまうのです。
3. 今日から始める3つの小さな習慣
「理屈は分かっても、毎日忙しくて時間がない…」
そうですよね。
仕事と介護の両立は、本当に大変なことです。
ですから、ここからは今日から、いえ、この記事を読み終えた今から始められる、具体的で簡単な3つのアクションプランだけをお伝えします。
3-1. Step1:寝る前に5分「昔のアルバム」を一緒に眺める
難しい会話は必要ありません。ただ、昔のアルバムを一緒に開き、「この時、楽しかったね」「この服、素敵だね」と、思い出を共有する時間を作るだけです。ご本人にとって、楽しかった記憶は「失われていない自信」の源泉です。この5分間が、ご本人の心を穏やかにし、あなたとの絆を深める最高の時間になります。
3-2. Step2:小さな役割をお願いする
「このタオル、一枚だけ畳んでくれると助かるな」 「郵便物、取ってきてくれる?」 どんなに些細なことでも構いません。ご本人に「自分はまだ家族の役に立てる」と感じてもらうための、小さな役割をプレゼントしてあげてください。そして、やってもらったら必ず「ありがとう、助かったわ。さすがだね」と伝えること。この一言が、何よりの薬になります。
3-3. Step3:今日の「良かったところ」を一行だけスマホにメモする
これは、親御さんのためであると同時に、あなた自身のための最も大切な習慣です。 「今日は穏やかにテレビを見ていた」 「冗談を言って少し笑った」 「私の名前を呼んでくれた」 日々の介護に追われると、つい悪い面ばかりに目が行きがちです。しかし、どんな日にも、必ず小さな「できたこと」「良かったこと」があるはず。それを一行でいいので記録することで、あなたの介護は間違っていないと自信が持て、ご自身を責める夜が確実に減っていきます。これは、未来のあなたを救うためのお守りになるのです。
まとめ
この記事では、ご自宅での認知症リハビリにおいて、自分を責めてしまうあなたへ、その苦しみから抜け出すための考え方と具体的な方法をお伝えしてきました。
結論として、あなたの介護は決して間違ってはいません。 ただ、少しだけ関わり方の視点を変え、「脳」だけでなく「心」に寄り添うこと。そして、今日から始められる3つの小さな習慣(アルバムを見る、役割をお願いする、一行メモ)を試してみてほしいのです。
なぜなら、認知症ケアで最も大切なのは、失われた機能を取り戻すこと以上に、ご本人が「孤独」や「役割の喪失」を感じることなく、その人らしい尊厳を保ち続けることだからです。
この小さな一歩を続けることで、あなたの日常は確実に変わっていきます。 親御さんの暴言が減り、穏やかな会話が食卓に戻ってくる。無表情だった親御さんが、冗談を言って笑う日が増える。そして何より、あなた自身が「私の介護が悪い」という罪悪感から解放され、夜ぐっすり眠れるようになるはずです。
介護は「終わりが見えない作業」ではありません。 「親との関係を、もう一度築き直すための、かけがえのない時間」に変えることができるのです。 その未来を、どうか諦めないでください。
よくあるご質問(Q&A)
Q1. 認知症の薬を飲んでいますが、この記事のリハビリと併用しても大丈夫ですか?
A1. はい、もちろんです。お薬は脳の働きをサポートするために非常に重要ですので、必ず医師の指示通りに続けてください。この記事でご紹介した「心のリハビリ」は、お薬の効果を最大限に引き出すための「土台作り」だとお考えください。医療的な治療と、ご家庭での温かい関わりの両輪で進めることが、最も効果的です。
Q2. 物を盗られたと言う「物盗られ妄想」がひどいのですが、どう対応すれば良いですか?
A2. まず「誰も盗ってないよ」と否定しないことが鉄則です。ご本人にとってはそれが「真実」なので、まずは「大変だね、一緒に探そうか」と気持ちに寄り添ってあげてください。多くの場合、探しているうちに忘れてしまったり、見つかることで安心したりします。症状が続く場合は、ケアマネジャーや地域包括支援センターなど、専門機関に相談することも大切です。
Q3. 介護している私自身の心が折れそうです。どうすればいいですか?
A3. 一人で抱え込まないことが、何よりも重要です。あなた自身の心と体の健康なくして、良い介護は続けられません。まずはケアマネジャーに相談し、デイサービスやショートステイなどを利用して、意識的に「介護から離れる時間」を作ってください。また、同じ悩みを持つ家族が集う「家族会」に参加したり、自治体の相談窓口を利用したりすることも、心の大きな支えになります。あなた自身を大切にすることを、絶対に忘れないでください。
ここまで長い文章を読んでくださり、本当にありがとうございます。
出口の見えないトンネルの中で、たった一人で光を探し、本当に辛い毎日を送られていることでしょう。でも、どうかもう一人で悩まないでください。
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