はじめに
「暖房、ちゃんとつけてる? 寒くない?」
冬が近づくと、ご実家の親御さんを想い、そんな言葉をかける方も多いのではないでしょうか。
仕事と介護を両立する忙しい日々の中、親御さんの体調を気遣うあなたの優しさが伝わってきます。
でも、もし。
親御さんが「寒い」と感じられなくなっていたとしたら?
もし、認知症の初期症状のせいで、その不調をうまく言葉にできなくなっていたとしたら?
「まさか、暖かい家の中でそんなことが…」
そう思うかもしれません。
ですが、老人性低体温症の多くは、真冬の屋外ではなく、この「暖房の効いた屋内」で静かに進行します。
この記事は、「うちは大丈夫」と思っている、真面目で責任感の強いあなたにこそ読んでいただきたい内容です。
私は認知症リハビリの専門家として、多くのご高齢者とご家族に関わってきました。
その中で、「あの時、気づいていれば…」という後悔の声を、残念ながら何度も耳にしてきました。
この記事では、なぜ「寒い」と言えないのか、その恐ろしい理由と、認知症の症状と見間違いやすい「隠れたサイン」を徹底的に解説します。
読み終える頃には、あなたは「親の小さな変化」に誰よりも早く気づける自信と、「明日から具体的に何をすべきか」という明確な行動指針を手に入れているはずです。
もう一人で不安と戦うのは、今日でおしまいにしましょう。
大切な親御さんを、そして何より、介護を頑張るあなた自身を守るための知識を、今から一緒に学んでいきましょう。
1. なぜ高齢者は「寒い」と言えないのか?
「老人性低体温症」と聞くと、雪山での遭難など、極端な寒さの中で起こるもの、というイメージがありませんか?
実は、その認識が、屋内で起こる低体温症を見逃す最初の落とし穴です。
高齢者、特に認知症の兆候がある方にとって、危険は家の中、あなたのすぐそばに潜んでいます。
1-1. 認知症の症状?感覚の鈍化?
なぜ、親御さんは「寒い」と言ってくれないのでしょうか。
それは、我慢しているからでも、強がっているからでもないかもしれません。
最も知っておいてほしい事実は、高齢になると「寒さを感じるセンサー」そのものが鈍くなるということです。
私たちの体は、皮膚で寒さを感じると、脳が「体温を上げろ」と指令を出し、筋肉を震わせて熱を生み出そうとします。
しかし、年齢を重ねると、この皮膚のセンサーの感度が低下します。
若い頃なら「寒い!」とすぐに上着を羽織る気温でも、寒さを感じにくくなっているのです。
私が担当したある認知症のAさん(80代女性)は、真冬でも薄着で過ごすことが多く、ご家族は「おばあちゃんは元気だ」と微笑ましく見ていました。
しかし、ある日訪問すると、部屋は暖房で24度に保たれているにも関わらず、Aさんの手足は氷のように冷たく、呼びかけへの反応もひどく鈍かったのです。
慌てて体温を測ると34.8度。
低体温症(深部体温が35度以下)一歩手前でした。
ご家族は「認知症が進んで、ぼんやりしているだけだと思った」と声を震わせました。Aさんは、「寒い」という感覚も、それを「言葉にする」という機能も、両方が低下していたのです。
このように、本人が「寒い」と訴えないから大丈夫、というわけでは決してありません。
「言えない」のではなく「感じていない」、あるいは「感じていても、それをどう伝えていいか分からない」ケースが非常に多いのです。
1-2. 暖房をつけても安心できない「屋内の落とし穴」とは
「でも、うちは暖房をしっかりつけているから…」
その安心感こそが落とし穴なのです。
暖房が効いた部屋でも、思わぬ「温度差」が体に大きな負担をかけます。
高齢になると、体温を一定に保つ「自律神経」の働きも衰えてきます。
例えば、暖かいリビングから、暖房の効いていないトイレや廊下へ移動した瞬間、体は急激な温度変化に対応できず、一気に熱を奪われてしまいます。
想像してみてください。
リビングが22度でも、冬場の北側の廊下やトイレは10度以下になることも珍しくありません。
その温度差は12度以上。
これは、真夏日に冷房の効いた部屋から、炎天下の屋外に出るよりも体に負担がかかる場合があります。
また、古い日本家屋では、いくらエアコンで空気を温めても、冷たい空気が床付近に溜まる「コールドドラフト」現象が起きがちです。
足元が冷えれば、そこから全身の熱が奪われていきます。
「部屋全体が暖かい」という思い込みを捨て、家の中に潜む「冷えのスポット」がないか、一度点検することが、屋内の低体温症を防ぐ第一歩となります。
1-3. 命に関わる「老人性低体温症」の定義
低体温症は、「ちょっと冷えた」状態とは全く違います。
これは、体の中心部の温度(深部体温)が35℃以下に低下した、命に関わる緊急事態です。
(参考:あなぶきの介護「高齢者の低体温症|症状や対応時のポイントを解説」)
体温が35℃を下回ると、体のあらゆる機能が正常に働かなくなります。
心臓の動きは不規則になり、呼吸は浅くゆっくりになります。
そして、脳の働きも著しく低下します。
これが、認知症の症状と見間違えやすい「ぼんやりする」「反応が鈍い」といった状態を引き起こすのです。
深部体温が32℃まで下がると、多くの場合で意識が混濁し始めます。
そして、30℃を下回ると、心臓が停止する(心室細動)危険性が極めて高くなります。
私が病院勤務時代に経験したことですが、冬の朝、自宅で倒れていた高齢者が救急搬送されてきました。
発見時、意識はなく、体温は31度台。ご家族は「昨夜、寝る前は普通に話していたのに…」と呆然としていました。
低体温症の恐ろしいところは、本人の自覚がないまま、ゆっくりと、しかし確実に進行し、気づいた時には重篤な状態になっている点です。
「たかが冷え」と侮らず、命を守るための知識として、次の「サイン」を絶対に覚えておいてください。
2. 認知症の症状と見間違える。「老人性低体温症」の隠れたサイン
ここが、この記事で最も重要なポイントです。
認知症の介護をしていると、「あれ、今日はいつもよりぼんやりしてるな」「また、うとうとして…」と感じる日があると思います。
多くの方がそれを「認知症の症状」として片付けてしまいます。
しかし、それがもし、低体温症による「SOS」だとしたら…?
2-1. 【初期症状】「いつもと違う」を見逃さないためのチェックリスト
低体温症の初期症状は、非常に地味で、認知症の症状と驚くほどよく似ています。
体温が下がり始めると、脳の活動が鈍化し、思考力や判断力が低下します。
これは、認知症の中核症状である「認知機能の低下」と、表面的な見え方がそっくりなのです。
仕事と介護を両立するあなたが、限られた時間の中で「いつもと違う」に気づくためのチェックリストを作成しました。

これらのサインは、もちろん認知症の症状や、それ以外の一過性の体調不良である場合もあります。
しかし、「認知症だから仕方ない」と見過ごすのではなく、「もしかして、低体温症では?」という新しい視点を持つことが、命を救う第一歩となります。
2-2. 触って確認。手足ではなく「お腹」や「背中」の冷たさ
手足が冷たいのは当たり前、と油断してはいけません。
本当に確認すべきは、体の「中心部」の温度です。
体は、寒さを感じると、命を守るために重要な臓器が集まる中心部(胴体)に血液を集めようとします。
その結果、末端である手足は真っ先に冷たくなります。
しかし、低体温症が進行すると、その中心部さえも温かさを保てなくなります。
親御さんの手足が冷たいと感じたら、次に声をかけながら、そっと服の上から「お腹」や「背中」に触れてみてください。
もし、衣類を何枚も着ているのに、その奥にあるはずの温もりが感じられず、ひんやりとしている場合…それは非常に危険なサインである可能性があります。
手足の冷たさとは比較にならない、差し迫った危険を示しています。
コミュニケーションの一環として、「背中、かゆいところない?」などと声をかけながら、日常的に体幹部(お腹や背中)の温もりをチェックする習慣をつけてください。
2-3. 「震えがない」のはなぜ危険?
「寒くて震える」のは、体がまだ体温を上げようと戦っている証拠です。
本当に危険なのは、寒いはずなのに「震えが止まった」時、あるいは「最初から震えがない」時です。
私たちの体は、寒さを感じると筋肉を小刻みに震わせ(これを「シバリング」と言います)、熱を産生しようとします。
しかし、低体温症が進行し、体温が32℃近くまで下がると、体はこの熱産生すらできなくなり、震えが止まってしまいます。
高齢者の場合、もともとの筋肉量が少ないため、この「震え」による熱産生が若い人ほどうまくできません。
さらに、体力が低下していると、震えが起こる前に、あるいはごく短時間で震えが止まってしまうことがあります。
「震えていないから、寒くないんだな」
「静かに寝ているから、大丈夫だろう」
この「サイレントな」進行こそが、老人性低体温症の最も恐ろしい特徴です。
「震えがない」ことを安心材料にするのではなく、むしろ「震える体力すらないのかもしれない」という危機感を持ってください。
3. 屋内低体温症対策5選
ここまで読んで、「あれもこれもやらないと…」と不安が大きくなってしまったかもしれません。
ですが、すべてを完璧にこなす必要はありません。
大切なのは、「頑張る」ことではなく、「効率よく」リスクの芽を摘むことです。
ここでは、認知症リハビリの専門家として、私が現場で「これは効果がある」と実感した、最小限の努力で最大の効果を上げる「頑張らない対策」を5つだけ厳選しました。
3-1. 【環境】「室温22度」の罠
エアコンの設定温度を信じるのではなく、「親御さんが実際にいる場所」の温度と湿度を「見える化」することが最も重要です。
(参考:国立長寿医療研究センター)
エアコンが「22度」を示していても、それはエアコン本体が吸い込む空気の温度です。
窓際はもっと寒く、床付近には冷気が溜まっています。
また、湿度が低いと、体感温度はさらに下がります。
私がお勧めしているのは、「温湿度計」です。
それも、親御さんの目線の高さ(座っていることが多いならその高さ)と、足元の2ヶ所に置くこと。
(おすすめの温湿度計 https://amzn.to/4rdGQYu )
「見える化」することで、ご家族も「あ、今日は足元が15度しかないな。何か一枚かけよう」と具体的な行動に移せます。
また、認知症の方でも、数字や目盛りで「今は寒いんだ」と認識しやすくなる効果も期待できます。
3-2. 【衣類】「三つの首(首・手首・足首)」を温める新常識
介護あるあるなんですが、高齢の方で、肌着から上着まで5枚6枚と着込んでいる方が、時々いらっしゃいます。
私の知る限りでの最高記録は8枚です。
数えた時は、つい笑ってしまいました。
ですが、たくさん着込ませて動きを妨げる「着膨れ」は逆効果です。
温めるべきは「三つの首」です。
「首」「手首」「足首」は、皮膚のすぐ下を太い動脈が通っている「熱の通り道」です。
この3点を温めることで、温められた血液が全身を効率よく巡り、体全体がポカポカしてきます。
厚手のセーターを一枚着せるよりも、
- 肌着(吸湿発熱素材が望ましい)
- 薄手のシャツ
- カーディガン(着脱しやすいもの) という「空気の層」を作る重ね着が基本です。
その上で、

これらをプラスするだけです。
これなら、親御さんも窮屈さを感じにくく、介護する側も着脱が簡単です。
3-3. 【食事】温かい飲み物だけでは体は温まらない理由
温かい飲み物で得られる熱は一時的なものです。
体の中で「熱を生み出す」ための燃料、すなわちタンパク質を摂ることが根本的な対策になります。
食事をすると、栄養素が分解・吸収される過程で熱が発生します。
これを「食事誘発性熱産生(DIT)」と呼びます。
この熱産生は、糖質や脂質に比べ、タンパク質を摂った時が最も高くなります。
「寒いから」と白湯やお茶ばかり飲んでいては、体は温まりません。
いつもの朝食に「ゆで卵1個」をプラスする。 昼食に、例えばうどんなら「かまぼこや油揚げ」をトッピングする。
おやつに、「温かい牛乳」や「豆乳ココア」を飲む。
これらは全て良質なタンパク質です。
忙しい中でも「ちょい足し」できるものから始めてみてください。
筋肉や血液の材料にもなり、一石二鳥です。
3-4. 【運動】介護者が「ついでに」できる5分の血流アップ術
最大の熱産生器官である「筋肉」を使わなければ、体は冷える一方です。
大げさな運動ではなく、「ついで」の動きで十分です。
特に下半身には体全体の筋肉の約7割が集まっています。
ここを動かすことが、血流を促進し、体温を上げる一番の近道です。
- テレビを見ているCMの間に、「かかと上げ」を10回。(座ったままでも可)
- トイレなどに立ったついでに、その場で「もも上げ」を5回ずつ。
- 介護者が親御さんの足首を優しく持って、「足首回し」をしてあげる。
(スキンシップにもなります)
これなら、親御さんの負担にも、介護者の負担にもなりません。
「運動しなきゃ」と構えるのではなく、日常の動作に「ついで」にプラスしてみてください。
3-5. 【入浴】入浴前後の温度管理
ヒートショック対策が必要なのは「入浴中」だけではありません。
むしろ、入浴前後の「服を脱ぐ・着る」瞬間が最も危険です。
(参考:厚生労働省「高齢者の事故(冬)」)
暖かいお湯に浸かって上がった直後は、血管が開き、体温が放熱しやすい状態です。
そこで冷え切った脱衣所に出ると、体温は急降下します。
入浴の10分前から、脱衣所に小型のヒーターを置いて温めておく。
これだけで、体への負担は劇的に変わります。
「もったいない」という意識は、命のリスクと天秤にかけてください。
「環境」「衣類」「食事」「運動」「入浴」。
この5つの対策は、すべて「頑張らない」ことが共通点です。
完璧を目指さず、まずは「これならできそう」と思うもの一つから始めてみてください。
※ヒートショックについては、こちらの記事をご覧ください
4. 「いつもと違う」と感じたら?緊急時の対応とNG行動
どんなに対策していても、「まさか」は起こり得ます。
もし、親御さんの様子が「いつもと違う」「明らかに反応がおかしい」と感じたら。
パニックにならず、冷静に行動するために、今からお伝えすることを頭の片隅に置いておいてください。
4-1. すぐに救急車を呼ぶべき判断基準
以下のサインが一つでも見られたら、ためらわずにすぐに119番通報してください。
低体温症は、家庭での対処には限界があり、急速に悪化することがあります。
特に意識障害は、脳へのダメージや心停止が迫っているサインであり、一刻を争います。
【救急車を呼ぶべきサイン】
- 呼びかけへの反応がない、または極端に鈍い(意識障害)
- 呼吸が浅い、ゆっくりしている、または不規則
- 体が硬直し、震えもまったくない
- 体温計で35℃以下、または低すぎて計測不能(エラー)になる
「救急車を呼ぶほどでは…」とためらう気持ちは、本当によく分かります。
しかし、低体温症において「様子を見る」という選択は、最悪の結果を招きかねません。
迷ったら、呼ぶ。
それが鉄則です。
4-2. 救急車が来るまでに「あなた」ができること
救急車を待つ間、あなたにできる最善のことは、「これ以上熱を奪わせない」ための受動的な保温です。
体が冷え切っている状態で、急激に外部から熱を加えると、冷たい血液が心臓に一気に戻り、ショック(復温ショック)を起こす危険があるためです。
【救急隊を待つ間の正しい保温】
- 濡れた衣類は交換する:
もし汗や失禁で衣服が濡れていたら、すぐに乾いたものに着替えさせます。 - 風を避ける:
窓を閉め、エアコンの風が直接当たらない場所に移動させます。 - 毛布で包む:
体全体を乾いた毛布やバスタオルで包みます。特に頭と首(熱が逃げやすい場所)を忘れずに。 - 可能であれば:
温かい(熱すぎない)お湯を入れたペットボトルや湯たんぽを、脇の下、首筋、太ももの付け根など、太い血管が通る場所に当てる(※皮膚に直接当てず、タオルで包むこと)。
4-3. 絶対にやってはいけないNG対応
良かれと思ってやったことが、かえって状態を悪化させることがあります。
以下の行動は絶対に避けてください。
【絶対NGな行動】
- 熱いお風呂にいきなり入れる:
最も危険な行為です。
急激な温度変化で心臓に致命的な負担がかかります。 - 手足を強くマッサージする:
冷えた手足の血液が急に心臓に戻り、ショックを起こす原因となります。
優しくさする程度にしてください。 - お酒(アルコール)を飲ませる:
「体が温まる」というのは大きな誤解です。
アルコールは血管を広げ、逆に体の熱を外に逃がしてしまい、低体温症を悪化させます。 - 無理に食べ物や飲み物を与える:
意識がはっきりしない状態で無理に飲ませると、誤嚥(ごえん)して窒息や肺炎を引き起こす危険があります。
緊急時は、誰もが動揺します。
しかし、あなたはこの記事を読みました。
「慌てず、濡らさず、ゆっくり温める」そして「迷わず救急車を呼ぶ」。
この2つを覚えておくだけで、取れる行動は全く変わってきます。
まとめ
「寒い」と言えない親御さんを、屋内の静かな危険から守るために、ここまで読んでくださりありがとうございました。
老人性低体温症は、「暖房をつけているから大丈夫」という「思い込み」の中で進行します。
高齢者、特に認知症の方は「寒い」と感じにくく、また「言葉に」できないことを、私たちは絶対に忘れてはなりません。
「ぼんやりしている」「反応が鈍い」といった症状を、「また認知症が進んだのかしら…」と見過ごしてしまうことが、最も危険です。
それは認知症の症状ではなく、低体温症による「命のSOS」かもしれないのです。
この記事では、その隠れたサインの見つけ方(お腹や背中の冷たさ、震えがないことの危険性)と、仕事と介護で忙しいあなたでも「頑張らずに」できる5つの対策(①温湿度の見える化、②三つの首を温める衣類、③タンパク質のちょい足し、④ついで運動、⑤脱衣所の予備暖房)をお伝えしました。
すべてを一度にやろうとしなくて大丈夫です。
まずは、今日、親御さんの背中にそっと触れてみてください。
「温かいな」と確認できる、その小さな安心の積み重ねが、あなたと親御さんの両方を守ることにつながります。
あなたの親御さんへの深い愛情と観察眼こそが、どんな高価な暖房器具にも勝る「最強の対策」です。
この記事で得た知識が、あなたの一歩踏み出す勇気となり、親御さんとの穏やかな冬の時間に繋がることを、心から願っています。
よくあるご質問(Q&A)
Q1. 低体温症になりやすい持病や薬はありますか?
A1. あります。 特に、糖尿病、甲状腺機能低下症などの内分泌系の疾患や、心疾患、脳血管障害(脳梗塞など)の既往がある方は注意が必要です。また、睡眠薬、抗うつ薬、精神安定剤などの中には、体温調節中枢に影響を与え、低体温症のリスクを高める薬もあります。かかりつけ医に、冬場の過ごし方について一度相談してみることをお勧めします。
Q2. 湯たんぽや電気毛布を使う時の注意点はありますか?
A2. 「低温やけど」に最大限の注意が必要です。 高齢者は皮膚が薄く、感覚も鈍くなっているため、本人が「熱い」と感じないまま、じっくりと重度のやけどを負ってしまうことがあります。電気毛布は就寝前に布団を温めるために使い、寝る時はスイッチを切るか、タイマーをかける。湯たんぽはタオルで二重に包み、就寝時には布団から出すことを徹底してください。
Q3. 本人が「暑い」と言って暖房や厚着を嫌がる場合は、どうすればいいですか?
A3. 無理強いはせず、本人が気づかない形で環境を整えるのが最善です。 認知症の方の中には、体温調節がうまくいかず、暑さ寒さの感覚が混乱している場合があります。無理に厚着をさせようとすると拒否(BPSD)に繋がることも。本人の衣類は薄手のままでも、室温や湿度は介護者が管理する。床暖房や、人感センサーで足元だけ温めるヒーターなど、本人が「暑い」と感じにくい方法で、環境全体を温める工夫をしてみてください。
この記事を最後まで読み、大切なご家族を守るための知識を学ぼうとされたあなたに、心から敬意を表します。
仕事と介護の両立は、本当に想像を絶するご苦労があることと思います。
「親の変化に気づけなかったらどうしよう…」
「私一人で、この先も介護を続けていけるんだろうか…」
そんな風に、一人で不安に押しつぶされそうになる日もあるかもしれません。
でも、どうか、一人で抱え込まないでください。
あなたのその不安、私に少しだけ分けていただけませんか?
「寒い」と言えない親御さんのケアも、その根本にある「認知症」へのアプローチも、正しい知識と、ほんの少しのコツを知っているだけで、驚くほど介護者の心の負担は軽くなります。
今なら、公式LINEにご登録いただいた方限定で、 私が認知症リハビリの現場で効果を実感し、数多くのご家族の笑顔を取り戻してきた具体的なメソッドを、一冊のPDFに凝縮した
『認知症改善の教科書(完全版PDF)』
を、無料でプレゼントしています。

- 「なぜ、親はイライラするのか?」
- 「どうすれば、穏やかな時間を取り戻せるのか?」
その具体的な答えが、この教科書には詰まっています。
さらに、毎月先着30名様限定で、あなたの今のお悩みに合わせた「個別の無料相談」も受け付けています。
「こんなこと、誰にも言えなかった」
「うちの親の場合は、どうしたら…」
そんなあなたの声を聞かせてください。
あなたが笑顔を取り戻すことが、何よりの親孝行であり、親御さんにとっても一番の安心につながるのですから。
登録は、以下のリンクをクリックして「友だち追加」するだけです。
あなたからのご連絡を、心からお待ちしています。
