「お前が私のお金をとったんだろう!」
「通帳をどこに隠したの!」

毎日必死に介護をしているのに、親から突然そんな言葉をぶつけられ、ショックで涙が止まらなくなった…

…というご経験はありませんか?

一番身近でお世話をしている娘さんやお嫁さんが「犯人」にされやすいのが、「物盗られ妄想」の残酷な特徴です。

しかし、どうかご自身を責めないでください。
お母様やお父様は、あなたを憎んでいるわけでも、意地悪をしているわけでもありません。

これは、「脳のシステムエラー」が引き起こしている悲鳴(SOS)なのです。

気仙沼で20年以上介護の現場に立ち、現在は妻(認知症リハビリテーション専門士)と共に「リコケア コナーズ」を運営する私たちが、物盗られ妄想が起きる「本当の原因」と、脳の機能を活性化させて根本から防ぐ「コナーズ流のケア」をお伝えします。


1. なぜ「私」が疑われるの?物盗られ妄想が起きる「脳のメカニズム」

なぜ「私」が疑われるの?物盗られ妄想が起きる「脳のメカニズム」

「なぜ、一番お世話をしている私が疑われるの?」

その答えは、認知症による脳の機能低下に隠されています。

① 海馬(記憶)の低下と、プライドの防衛

まず、「自分で財布をしまった」という記憶が、脳の記憶の保管庫である「海馬(かいば)」からすっぽり抜け落ちてしまいます。

財布がないことに気づいた時、ご本人の頭の中は大パニックです。

しかし、大人のプライドとして「自分が忘れた・なくした」とは認めたくありません。
そこで脳が自分を守るために、無意識のうちに「誰かが盗んだに違いない」という物語(作話)を作り上げてしまうのです。

② 感情の暴走と、前頭葉(ブレーキ)の機能低下

不安や恐怖を感じると、脳の「扁桃体(へんとうたい)」という感情のセンサーが過剰に反応します。
通常であれば、脳の司令塔である「前頭葉(ぜんとうよう)」が「まあ落ち着こう」とブレーキをかけてくれます。

しかし、認知症によって前頭葉の血流が落ちていると、このブレーキが全く効きません。
結果として、パニックがダイレクトに「激しい怒り」となって表に出てしまうのです。

③ なぜ、一番身近な人がターゲットになるのか?

それは、あなたに対して「この人になら感情をぶつけても大丈夫」という、無意識の甘えと絶対的な安心感があるからです。

決してあなたを憎んでいるわけではないことを、まずは知っておいてください。


💡 あわせて読みたい

脳のシステムエラーだけでなく、「急に怒りっぽくなった」「暴言を吐くようになった」という場合、実は「重度の便秘」による身体的な不快感がパニックを引き起こしているケースも非常に多いです。

妄想や怒りの根本原因が「お腹」にないか、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。

[「親が急に暴れるようになった」の原因は便秘?…]


2. 一般的な対応「一緒に探しましょう」の限界と罠

一般的な対応「一緒に探しましょう」の限界と罠

よくある介護の入門書には、「絶対に否定せず、一緒に探しましょう」と書いてあります。

それが効果的な場合も確かにありますし、もちろん「盗んでない!」と頭ごなしに否定するのは、相手の怒りに火を注ぐだけなのでNGです。

しかし、毎回毎回「一緒に探す」という対応をしていては、ご家族の身と心が持ちません。

さらに、一緒に探してご家族が見つけてしまうと、「ほら!やっぱりお前が隠し持っていたんじゃないか!」と、さらに事態がこじれるケースも多々あります。

私たちは、ただ同調するのではなく、「脳の意識を逸らし、ブレーキを復活させる」という、より専門的で根本的なアプローチを推奨しています。


3. 【コナーズ流】妄想を根本から防ぐ!前頭葉を狙い撃ちするアプローチ

【コナーズ流】妄想を根本から防ぐ!前頭葉を狙い撃ちするアプローチ

認知症改善のプロが現場で実践している、脳の仕組みを利用した具体的なケアのステップをご紹介します。


💡 ブレーキ役である「前頭葉」の重要性

感情のコントロールや理性を司る「前頭葉」は、人間が人間らしく生きるための最も重要な司令塔です。
この部位が著しく萎縮してしまうと、万引きや暴言などの「社会的ルールを逸脱した行動」が目立つようになります。

前頭葉の機能低下がもたらす具体的な症状については、以下の記事でも詳しく解説しています。

[前頭側頭型認知症とは?症状・特徴から診断・治療まで…]


① 【その場の対応】「言語流暢性」で脳の回路を強制ストップ

妄想が始まった直後、ご本人の脳は「財布がない!」というパニック(扁桃体の暴走)でいっぱいです。
ここで、脳のブレーキである「前頭葉」をフル回転させる質問を投げかけ、思考回路を強制的に切り替えます。

(具体例)
「お母さん、一緒に探すから、その前に今日の夕飯のおかず、『あ』から始まる野菜を3つ教えてくれる?」
「一緒に探すから、このタオルだけ3枚畳んでくれる?」

このように、あえて頭を使う質問(言語流暢性課題)や、役割を振ることで、脳の興奮状態をスッと落ち着かせることができます。

質問を受け入れてくれない場合もありますが、時間を置いたりすることで受け入れてくれるようになる場合もあるので、良いタイミングを図りましょう。

② 【日々の予防】「デュアルタスク」で前頭葉の体力をつける

妄想を根本から起こりにくくするには、日頃からブレーキ役である「前頭葉」を鍛えておく必要があります。
ただのドリルではなく、「同時に2つのことを処理する(デュアルタスク)」が非常に有効です。

(具体例)
「足踏みをしながら、しりとりをする」
「洗濯物を畳みながら、昨日のテレビの話を詳しく語ってもらう」

こうした「体と頭を同時に使う日常の脳活」が、前頭葉の血流を劇的にアップさせます。

③ 【最大の土台】脳の血流を回す「水分補給」

どんなに脳トレをしても、脳が脱水状態では前頭葉は働きません。
「最近イライラしているな、妄想が出そうだな」という時は、まずコップ1杯の水を飲んでもらってください。

生理学的に脳の血流を良くすることが、すべてのケアの土台になります。

💡 あわせて読みたい

「水を飲めと言っても嫌がる」「トイレが近くなるからと我慢してしまう」というご相談をよく受けます。
特に活動量が落ちる時期は「隠れ脱水」が幻覚やせん妄(パニック)を直接的に引き起こします。

現場のケアマネジャーが実践している「水分不足を防ぐ具体的なコツ」は、こちらの記事を参考にしてください。

[気仙沼の冬、親の認知症が悪化?ケアマネ直伝の対策と改善のコツ]


エピローグ:妄想は「正しい脳へのアプローチ」で必ず落ち着きます

物盗られ妄想は、介護家族にとって最も心が折れそうになる症状です。

しかし、「脳で何が起きているのか」を正しく理解し、低下した機能(前頭葉や海馬など)に合わせたアプローチを続ければ、必ず穏やかな日々を取り戻すことができます。

もう一人で泣く必要はありません。
正しい知識で、親御さんの脳をサポートしてあげましょう。


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【この記事を書いた人】
菅原 浩平(すがわら こうへい)

菅原浩平

リコケア コナーズ共同代表 / ケアマネジャー・介護福祉士 気仙沼の現場で20年以上、高齢者福祉に従事。
薬に頼らない「水分・栄養・排泄」の生理学的アプローチで、ご本人とご家族の笑顔を取り戻すサポートを行っている。

【監修者】
菅原 嘉奈(すがわら かな)

菅原嘉奈

リコケア コナーズ共同代表 / 認知症リハビリテーション専門士・ケアマネジャー・介護福祉士
「認知症は改善できる」という信念のもと、専門士の資格を取得。脳の機能低下を的確に見極め、その人らしさを取り戻すためのパーソナルなリハビリプログラムを提案している。