はじめに
「ただいま」とドアを開ける瞬間、心がずしりと重くなる…。
仕事を終えた安堵感よりも先に、「今日は大丈夫だろうか」「また同じことを何度も聞かれるのかな」という不安が胸をよぎる。
そんな毎日を送っていませんか?
かつては、何でも話せる一番の理解者だったお母さん。
その優しい笑顔が、少しずつ遠くなっていくような寂しさと焦り。
ついキツい言葉をぶつけてしまい、眠る前に一人で涙を流す夜。
でも、どうか思い出してください。あなたは一人ではありません。
そして、その状況は必ず変えられます。
この記事では、介護福祉士、ケアマネジャーとしての20年以上の経験から、暗闇を抜け出すための「最初の地図」をお渡しします。
この記事を読み終える頃には、あなたの心に温かい希望の光が灯っているはずです。
1. 気仙沼で認知症介護に限界を感じる前に知ってほしいこと
1-1. その悩み、あなたのせいではありません
まず、最も大切なことをお伝えさせてください。
あなたが今抱えている辛さや悩みは、決してあなたのせいではありません。
なぜなら、認知症は性格や育て方の問題などではなく、脳の細胞が変化することで起こる「病気」だからです。
例えば、物忘れがひどくなるのは、記憶を司る「海馬」という部分が影響を受けているから。
怒りっぽくなるのは、感情をコントロールする「前頭葉」の働きが弱まっているからなのです。

風邪をひいたら咳が出るのと同じで、脳の変化によって様々な症状(行動・心理症状、BPSDとも言います)が現れるのは、仕方のないこと。
ですから、「私の対応が悪いから…」とご自身を責める必要は一切ありません。その優しい気持ちは、ご自身を労わるために使ってあげてくださいね。
1-2. 認知症は「不治の病」ではない
「認知症は治らない」という言葉に、絶望的な気持ちになるかもしれません。
しかし、多くのご家族と向き合う中で、確信したことがあります。
それは、認知症は「不治の病」ではなく、「適切なケアで症状の改善を目指すことができる」ということです。
確かに、失われた記憶を完全に取り戻すのは難しいかもしれません。
ですが、どうか諦めないでください。
これから一緒に、その具体的な方法を見ていきましょう。
(参考:厚生労働省「知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス」認知症)
2. プロ(ケアマネ)が教える!気仙沼の認知症相談窓口、正しい選び方と役割
気仙沼市で認知症のことで悩んだとき、どこに相談すれば良いのか、迷ってしまいますよね。
実は、相談する方の状況によって、最適な窓口は異なります。
ここでは、ケアマネの資格を持つ私が、あなたにピッタリの「最初の扉」をご案内します。
2-1. あなたの状況はどの段階?最初に相談すべき窓口
結論から言います。
もしあなたが、「何から手をつけていいか全くわからない」という状況なら、迷わず「地域包括支援センター」に電話してください。
ここは、高齢者の暮らしを支えるための総合相談窓口。
ケアマネジャーや社会福祉士、保健師といった専門家チームが、あなたの話を親身に聞き、必要なサービスや医療機関に繋いでくれます。
「こんなこと相談していいのかな?」なんて思う必要は全くありません。
あなたの心のモヤモヤを、そのまま話せる場所なのです。
2-2.【気仙沼市の公式相談窓口】目的別 全リスト
あなたの状況に合わせて、他の窓口も知っておくと安心です。
- ① まだ診断を受けていない・何から相談していいか分からないならココ
- 気仙沼市地域包括支援センター
- 役割: 介護に関するあらゆる相談の最初の窓口です。介護保険の申請サポートや、あなたに合ったサービスの提案など、トータルで支援してくれます。
- ポイント: お住まいの地域によって担当が決まっています。気仙沼市のウェブサイトで確認するか、市役所に問い合わせてみましょう。
- (参考:厚生労働省「地域包括支援センター」)
- 気仙沼市地域包括支援センター
実は、気仙沼市内の地域包括支援センターは複数あります。
お住いの地域ごとに管轄が決まっているので、以下を参考に、あなたのいる地域の管轄の地域包括支援センターを訪ねてみて下さい。
- 松岩・新月地域包括支援センター:松岩、新月地区
- 階上・面瀬地域包括支援センター:階上、面瀬地区
- 鹿折・唐桑地域包括支援センター:鹿折、唐桑地区
- 大島地域包括支援センター:大島地区
- 本吉地域包括支援センター:本吉地区
- 気仙沼地域包括支援センター:上記以外の地区
※どうしてもわからない場合は、気仙沼市役所の高齢介護課に問い合わせてみてください。
(参考:気仙沼 地域包括支援センターについて)
相談先 | 電話番号 | 住所 |
松岩・新月地域包括支援センター | 24-2820 | 松崎柳沢228番地68 |
階上・面瀬地域包括支援センター | 25-8481 | 最知南最知148 |
鹿折・唐桑地域包括支援センター | 25-9755 | 唐桑町石浜282番地77 |
大島地域包括支援センター | 25-8570 | 廻舘55番地2 |
本吉地域包括支援センター | 31-1052 | 本吉町津谷舘岡51番地6 |
気仙沼地域包括支援センター | 25-7285 | 上田中一丁目4番2号 |
- ② 専門医に診てほしい・物忘れと認知症の違いを知りたいならココ
- 認知症疾患医療センター(宮城県指定)
- 役割: 認知症の専門的な診断や治療、症状が悪化したときの対応など、医療面での中心的な役割を担っています。かかりつけ医からの紹介状があるとスムーズです。
- ポイント: 気仙沼市から通える範囲の指定医療機関を、まずは地域包括支援センターに相談して教えてもらうのがおすすめです。
- (参考:国立長寿医療研究センター「認知症疾患医療センター」)
- 認知症疾患医療センター(宮城県指定)
- ③ 同じ立場の仲間と繋がりたい・気持ちを共有したいならココ
- 認知症カフェ、家族会
- 役割: 介護者同士が悩みを打ち明けたり、情報交換をしたりできる貴重な場所。専門家がいることも多く、気軽に相談できます。
- ポイント: 開催情報は市の広報誌や社会福祉協議会のウェブサイトに掲載されていることが多いです。地域包括支援センターに問い合わせるのもいいでしょう。「私だけじゃなかったんだ」と心から思える、温かい繋がりが見つかるかもしれません。
- 認知症カフェ、家族会
- ④ 相談から介護サービス利用まで一気に進めたいならココ
- 居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)
- 役割: ケアマネジャーが在籍しており、介護に関する相談から、悩みを解決するために介護サービスの提案、実際に利用するまでの手続きを一手に担います。
- ポイント: 相談はもちろん、介護サービス利用手続きなどをお願いしても、費用がかかりません(介護保険制度の改正次第では、その限りではありません)。自分で調べて直接問い合わせても良いですが、地域包括支援センターが紹介してくれる場合もあります。
- 居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)
3. 相談窓口へ行く前に!たった3つの準備で未来が大きく変わる
いざ相談に行くと決めたら、少しだけ準備をしておくと、話が驚くほどスムーズに進みます。
未来を良い方向に動かすために、以下の3つを試してみてください。

3-1. 親の「困りごと」メモを作成する
「いつ」「どこで」「どんなことで」困っているか、箇条書きで良いのでメモしておきましょう。
例えば、
- 「夜中に何度も起きて、家中を歩き回る(ほぼ毎日)」
- 「お財布を盗られたと、私を責める」
- 「料理の火の消し忘れが心配」 など、相談したい事が具体的であればあるほど、専門家は的確なアドバイスができます。
3-2. あなた自身の「希望」を整理する
親のことだけでなく、「あなた自身がどうなりたいか」も大切な情報です。
- 「週に一度でいいから、友人とランチに行ける時間がほしい」
- 「安心して仕事に集中できるようになりたい」
- 「夜、ぐっすり眠りたい」
あなたの希望を伝えることで、それを実現するためのサービス(例えばデイサービスやヘルパー利用)の提案に繋がりやすくなります。
3-3. 親を傷つけずに相談へつなげた「誘い方」を知っておく
一番の難関が、ご本人の抵抗ですよね。
以前、「お母さん、物忘れが心配だから病院に行こう」とストレートに伝えて、「私をボケ老人扱いするのか!」と母をひどく怒らせてしまった方の相談を受けた事があります。
こういう場合は、「認知症」という言葉を使わず、別の目的を口実にすることが成功の鍵です。
その方が実際に使ってうまくいったのは、「最近、よく眠れていないみたいだから、睡眠の専門の先生に相談してみない?私も付き合うから」という誘い方でした。
かかりつけ医に事前に事情を話しておき、「市長さんから、高齢者の健康診断の案内が来てるから、一度行ってみましょう」と協力してもらうのも非常に有効です。
ご本人のプライドを傷つけず、自然な形で専門機関へ繋ぐことが、穏やかな支援への第一歩となります。
4. 相談後、あなたの生活はこう変わる!
勇気を出して相談の電話を一本かける。
その小さな一歩が、あなたの未来を劇的に変える力を持っています。
4-1. 利用できるサービスで「介護しない時間」を手に入れる
例えば、デイサービスを利用すれば、日中はおのずとあなたの自由な時間になります。
その時間に、溜まっていた家事を片付けたり、カフェで一息ついたり、仕事に集中したりできるのです。
「介護から離れる時間」を持つことは、あなたの心を回復させ、また優しい気持ちで親御さんと向き合うための大切なエネルギーになります。
4-2. プロの視点で「関わり方のコツ」がわかる
なぜ怒り出すのか、なぜ同じことを繰り返すのか。
その理由が分かると、あなたの対応も自然と変わってきます。
専門家からのアドバイスで関わり方が上手になると、不思議なほど親御さんの表情が穏やかになり、笑顔が増えていくのです。
もらえるアドバイスは、認知症の関わり方だけではありません。
歩行や移乗(イスからベッドなどへ移ること)、食事介助といった身体介護のコツや、ご本人の状態にあった食事形態など、参考になる話がたくさん聞けるはずです。
4-3.感動の声「相談してよかった!」
私の元には、毎日たくさんのメッセージが届きます。
その中から、気仙沼市の方ではないですが、同じように悩んでいた方の声を紹介させてください。
レビー小体型認知症のお母様の介護をしていたSさん
「毎日母と喧嘩ばかりで、家が地獄のようでした。
先生の投稿を読んで、勇気を出して地域包括支援センターに相談し、デイサービスに繋がりました。
最初は嫌がっていた母が、今では『今日は〇〇さんと歌を歌った』と楽しそうに話してくれるんです。
母の笑顔を見たのは、本当に久しぶりで、涙が止まりませんでした。」
あなたも、必ずこうなれます。
相談することは、親を見捨てることではありません。
むしろ、プロの力を借りて、親孝行の質を高めることなのです。
まとめ
気仙沼市には、認知症で悩むあなたとご家族を支えるための、温かい相談窓口がたくさんあります。
一人で地図を持たずに、暗く先の見えない道をさまようのは、もう今日で終わりにしませんか?
大切なのは、完璧な介護を目指すことではありません。
専門家やサービスを上手に頼って、あなた自身の人生も大切にしながら、親御さんと穏やかな時間を共に過ごしていくことです。
そのために必要なのは、ほんの少しの勇気だけ。
この記事が、あなたがその一歩を踏み出すきっかけになれたら、これほど嬉しいことはありません。
あなたの未来は、もっと明るく、もっと穏やかなものになるはずです。心から応援しています。
よくあるご質問(Q&A)
Q1. 相談や介護サービスの費用はどれくらいかかりますか?
A1. 公的な相談窓口(地域包括支援センターなど)への相談は、原則無料です。 介護保険サービスを利用する場合の費用は、ご本人の所得に応じて自己負担額(通常1割〜3割)が決まります。例えば、デイサービスを週2回利用した場合、月々の自己負担額は1万円程度が目安となります。詳しい料金は利用するサービスや時間によって異なるため、ケアマネジャーに相談して見積もりを出してもらうのが確実です。
Q2. 他の家族が介護に協力的でありません。どうすればいいですか?
A2. まずは専門家(ケアマネジャーなど)に間に入ってもらい、家族会議を開くことをお勧めします。 当事者同士で話すと感情的になりがちですが、第三者である専門家から、介護の現状や必要な費用、利用できるサービスについて客観的に説明してもらうことで、他のご家族も状況を冷静に理解しやすくなります。金銭的な支援や、週末だけ様子を見に来てもらうなど、それぞれができる範囲での協力を具体的に話し合うことが大切です。
Q3. 病院や相談に、本人がどうしても行きたがりません。どうすればいいですか?
A3. 無理強いはせず、訪問してくれるサービスを利用することから始めるのが有効です。 地域包括支援センターや主治医に相談すれば、看護師や専門職が自宅に来てくれる訪問看護や、訪問診療といったサービスに繋いでもらえます。ご本人が最も安心できる自宅の環境で、専門家と顔なじみになることから始めると、その後の受診やサービス利用への抵抗感が和らぐケースが多くあります。焦らず、ご本人のペースに合わせることが重要です。
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます。
どうか、一人で抱え込まないでください。あなたのその辛さ、苦しさは、決して贅沢な悩みなどではありません。
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