認知症特化型ケアマネジャーが教える介護保険のメリット・デメリット

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はじめに:介護の不安、一人で抱えていませんか?

ご家族が認知症と診断された方、あるいはご自身にその兆候を感じている方、大きな不安や戸惑いを抱えていらっしゃるのではないでしょうか。

「認知症になったら、もうどうしようもないのでは…」
「介護の負担が大きすぎる…」

そんな風に、先の見えない不安に押しつぶされそうになっていませんか?

介護の現場では、認知症介護に大きな負担を感じ、悩みを抱えながらも、誰に相談すればいいのか分からず、一人で抱え込んでしまっている人がたくさんいます。

この記事では、認知症介護の強い味方である「介護保険」について、介護のメリット・デメリット を中心に、利用できるサービスや知っておくべき全知識を、分かりやすくお伝えします。

介護保険のキホン!使えるサービスを徹底解説

介護保険制度は、介護が必要な高齢者を社会全体で支えるための公的制度です。

40歳以上になると介護保険料の納付が義務付けられ、介護が必要になった際には、要介護度(介護の必要度)に応じたサービスを、原則1割(所得に応じて2~3割)の自己負担で利用することができます。

申請からサービス利用開始までの流れ

介護保険サービスを利用するには、まず「要介護認定」を受ける必要があります。

認定の申請からサービス利用までの流れは、次の通りです。

  1. 申請:
    お住まいの市区町村の窓口に申請します。
  2. 認定調査:
    調査員が自宅などを訪問し、心身の状態や生活状況を調査します。
  3. 審査・判定:
    調査結果と主治医意見書をもとに、介護認定審査会で要介護度が判定されます。
  4. ケアプラン作成:
    要介護1~5と認定された方は、ケアマネジャーに依頼してケアプランを作成します。
    要支援1・2の方は、地域包括支援センターが、または地域包括支援センターから委託を受けたケアマネジャーが介護予防ケアプランを作成します。
  5. サービス利用開始:
    ケアプラン・介護予防ケアプランに基づき、サービス事業者と契約し、サービスの利用を開始します。

要介護認定の申請は、窓口に直接行ってもできますが、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談すれば、申請代行もお願いできますし、早期に介護保険サービスについて検討することができます。
申請から要介護認定の結果が出るまで、およそ1~2か月かかるので、このどちらかには早めに相談することをおすすめします。

結果が出るまでの間は、暫定ケアプランを作成することで、介護保険サービスを利用することができます。
ただし、利用する量などにある程度の制限が生じる可能性があるので、ケアマネジャーに相談しましょう。

居宅サービス:自宅で受けられる介護サービス

自宅にいながら受けられる介護保険サービスを、居宅サービスと言います。
居宅サービスにはどんなものがあるか、確認していきましょう。

訪問介護

訪問介護は、ホームヘルパーが自宅を訪れ、食事、入浴、排せつなどの身体介護や、掃除、洗濯、調理などの生活援助を行います。

要介護者の中には、簡単な掃除や買い物も適切にできない場合があり、それを訪問介護で補うことは非常に有意義です。

認知症で、同じものを毎日買ってきてしまう方がいて、自宅内は魚の腐った臭いで充満していましたが、ヘルパーさんのご尽力で、冷蔵庫の中が整い、臭いもなくなったということがありました。
全国で見ても、似たようなケースは決して少なくないでしょう。

注意点としては、生活援助のサービスは、要介護認定を受けていないなどの健康な同居者がいる場合は利用できないという制限があるということです。

訪問入浴介護

訪問入浴介護は、その名の通り、自宅で入浴介助することに特化したサービスです。

自宅のお風呂に入ることが難しい人のために、専用の浴槽を積んだ入浴車で自宅に伺い、入浴の介助をします。
水道だけ使わせてもらう必要がありますが、入浴車にある機械を通して瞬間的にお湯を沸かしてお湯をはります。

認知症の人でも基本的に利用できますが、介助を受けて暴れてしまうことがあると、ケガにつながるので注意が必要です。

認知症かどうか…というよりは、身体的に、ヘルパーの手を借りても自宅のお風呂に入れないなどの状態にある場合に、訪問入浴介護を利用することをおすすめします。

訪問看護

看護師が自宅を訪れ、健康チェックや薬の管理、尿カテーテルの管理など医療的なケアなどを行います。

医療上必要に応じ、お風呂の介助など日常的な支援も依頼することができます。

こちらも認知症か否かではなく、医療上必要か否かで利用を判断することになります。
利用に至るまでの手続きも煩雑なので、ケアマネジャーの手伝いが不可欠です。

訪問リハビリテーション

理学療法士や作業療法士などのリハビリ専門職が自宅を訪れ、機能訓練などを提供します。
自宅でできるリハビリとして注目されているサービスです。

リハビリの内容は、筋力や体力向上などの基礎的な訓練から、お風呂や外出など生活動作のための訓練など、幅広く行います。
「昔のように自分で料理をしたい」という目的のために訪問リハビリを受け、見事達成されたケースもあります。

「リハビリをしたいけど、デイサービスに行くのはちょっと…」という方などにおすすめです。
また、デイサービスなどでは、自宅の状況に合わせた訓練をしにくい場合があるので、そちらも考慮したいところです。

こちらも訪問看護同様、手続きが煩雑なので、ケアマネジャーへの相談が必須と言えるでしょう。

通所介護(デイサービス)

通所介護は、自宅ではなく、デイサービスに通い、食事、排泄、入浴、レクリエーションや軽い運動などの支援を受けられるサービスです。

自宅で入浴ができない、外出や人と接する機会がない、家族が仕事で不在の間が心配などの悩みの解消を目的に利用されます。

基本的に送迎はデイサービス側でしてくれます。
送迎時間はデイサービスによりますが、9時前後に迎えに来て、16時前後に帰宅する場合が多いです。
ご希望とデイサービスの体制によっては、ご家族で送迎したり、例えばお昼ご飯を食べたら帰宅(送りも要相談)という利用者さんもいます。

通所リハビリテーション(デイケア)

通所リハビリテーションは、介護老人保健施設(※)などで行われるデイケアと呼ばれるサービスで、イメージとしては、リハビリテーションに特化したデイサービスと考えていただければ良いでしょう。

デイサービスでもリハビリ器具を揃えているところがありますが、デイケアでは、多彩なリハビリ器具を揃え、医療の状況を確認しながら、理学療法士や作業療法士によって実施されます。

デイケアで行われるのが「リハビリテーション」、デイサービスで行われるのが「機能訓練」と言い分けることが多いです。

※介護老人保健施設とは、医学的管理の下、在宅復帰に重点を置いた介護施設で、医療法人が運営している場合が多いです。

短期入所生活介護(ショートステイ)

短期入所生活介護では、1泊から介護施設等に宿泊して、日常生活上の支援や機能訓練を受けられます。
デイサービス同様、入浴の問題やご家族の不在などの他、ご家族が休息をとるために利用する方が多く、介護負担の軽減に一役買っています。

昨今では完全個室の施設も多いので、プライバシーが気になる方も安心して利用できるようになっています。

ありがたいことに、ショートステイ利用中のリハビリパンツやテープ式オムツ、尿とりパッドは全て施設が負担するので、こだわりのオムツがない限りは、任せてしまう方が良いでしょう。

ショートステイを利用できる施設の種類はいくつかありますが、短期入所生活介護は特別養護老人ホーム(※)などを利用します。
介護老人保健施設の場合、同じショートステイと一くくりにされますが、正式には「短期入所”療養”介護」と言います。

※特別養護老人ホームとは、要介護3以上の方が入所できる介護施設で、リハビリよりも、日常生活の支援に重点を置いた、「終の棲家」とも言われています。

福祉用具貸与

車いすや特殊寝台(介護ベッド)などの福祉用具をレンタルできます。

何割負担か(1~3割)にもよりますが、車いすひとつ見ても、安いものは月々200~500円から選んで借りることもできます。
車いすを購入する場合、1つ5~6万から数十万円するので、介護保険でいかに安く済ませられるかがわかります。

他にも杖、歩行器、手すりなど様々な福祉用具があり、非常に便利になっていますが、車いすや介護ベッドなど、一定の福祉用具には、要介護2以上の認定を受けていないと保険が適用されないなどの制限があるので、注意が必要です。(特例で保険適用になる場合もあります)

また、一部を除くトイレや入浴用などの福祉用具は「特定福祉用具販売」と言い、レンタルではなく購入のみとなっています。
ですが、例えばポータブルトイレでは、安いものなら3,000円少々で買える(1割負担の場合)ので、かありお得と言えるでしょう。

他に、工事による手すりの設置や段差解消などには、「介護保険住宅改修」が利用できます。
これは、工事費(材料費等込み)20万円までは介護保険による補助が出るというもので、20万円かかった場合、実質支払い額は2万円で済みます。
例えば、手すりをレンタルしていて、その場所に固定の手すりを付けたいと思ったら、ケアマネジャーに相談してみてください。

地域密着型サービス:住み慣れた地域で受けられるサービス

地域密着型サービスとは、高齢者が住み慣れた地域で、できる限り自立した生活を続けられるよう支援するために創設されたサービスで、その地域に住む要介護・要支援者が対象となります。

地域密着型サービスには、以下のような種類があります。

地域密着型通所介護(地域密着型デイサービス)

地域密着型通所介護は、簡単に言うと、デイサービスの小規模版的なものです。

利用の基本的な流れは概ね同じではありますが、通常の通所介護が定員19人以上であるのに対し、地域密着型通所介護は18人以下となっています。
これは、よりアットホームな空間を目指すためであり、調理や畑仕事など、個々の生活に沿った活動支援を受けやすい仕組みになっています。

私が関わった方の中には、認知症のために家事の一切をしなくなった元漁師の男性が、地域密着型通所介護の職員付き添いの下、見事な魚捌きを披露したというケースがあります。
それを見ていた他の利用者の盛り上がりはもちろん、ご本人のはつらつとした笑顔が印象的でした。

認知症対応型通所介護(認知症デイサービス

定員は地域密着型通所介護と同じで、利用の流れも基本的には変わりませんが、認知症の症状によって他のデイサービスになじめなかった方などのための、認知症の方限定のデイサービスです。

認知症の診断を受けていなくても、認知機能低下が認められていれば、利用が可能です。

デイサービスに行くのを嫌がるなどの悩みにも、丁寧に対応してくれるのでおすすめですが、サービスの名前に「認知症」と入っているので、認知症の方本人にしたら、「認知症デイサービス」という名前だけで抵抗を感じてしまうかもしれません。

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

認知症対応型共同生活介護では、5~9人の認知症の方が、アットホームな空間の中で共同生活を送る支援をするサービスです。

「施設に入居する」という形ではありますが、意外にも、居宅サービスとして扱われています。
施設なのに居宅…矛盾しているようですが、手伝いのある賃貸やシェアハウスと言うべきか、基本的には自分たちで家事等行いながら、できないところを職員がカバーしつつ、共同生活を送るというものです。

利用するためには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 医師から認知症の診断を受けている
  • 要支援2、要介護1以上
  • 65歳以上(場合によっては60歳以上も)

要介護1以上というのは、一応は要介護5(最も状態が重い)も含まれますが、要介護3以上になった時点で特別養護老人ホームへの転居を検討される場合が多いようです。

小規模多機能型居宅介護

「通い」を中心に、「泊まり」「訪問」の各サービスを組み合わせ、24時間365日、柔軟なサービスを提供します。
つまり、デイサービスとショートステイとヘルパーのサービスが1つの施設から提供されます。

通常であれば、同じ建物の中にこの3つのサービス事業所があったとしても、それぞれ職員は違う人が配置されています。
対して、小規模多機能型居宅介護の場合、各サービスを見慣れた職員が提供してくれるので、利用者としては安心できるサービスと言えます。

利用に当たっては、もしすでに居宅のケアマネジャーが担当として付いている場合、小規模多機能型居宅介護専属のケアマネジャーに担当を変更することになります。

また、小規模多機能型居宅介護には、医療ニーズへの対応が不十分なデメリットがありました。
医療ニーズが高い方にも対応できるよう、利用者への「訪問看護」の機能を加えた「看護小規模多機能型居宅介護」というサービスもあります。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

24時間365日、定期的な訪問と随時の対応により、在宅生活を支えるサービスです。
オペレーターが常駐し、緊急時にも迅速に対応します。

言い換えると、通常のホームヘルパーによる支援に加え、24時間の相談受付、相談後に時間を問わずヘルパーが駆け付け、必要に応じた支援をするというものです。
(相談から駆け付けるまでの時間は、事業所の状況により異なります)

また、オプション的に、医療ニーズのある方に対して訪問看護を合わせて利用することもできます。

このサービスが生まれた経緯として、以前は要介護者の生活を24時間支援する仕組みが不足していたこと、医療と介護の連携が不十分であったことが挙げられます。

夜中に転んで動けなくなった時、ご家族の介護だけではベッドまで戻れなかったりすると、夜間の支援がないために、朝まで床で過ごす…ということも、よくある話です。

そんな時に電話ですぐに相談でき、駆け付けてもらえるのなら、これほど心強いこともないですね。

承知いたしました。介護保険の施設サービスについて、さらに深掘りして説明文で解説いたします。

施設サービス:自宅での生活が難しい方のための生活の場

介護保険の施設サービスとは、自宅での生活が困難になった要介護者が、施設に入所し、24時間体制で介護や日常生活の支援、機能訓練、健康管理などを受けられるサービスです。

それぞれの施設ごとに特色があり、利用者のニーズや状態に合わせて選択できます。

介護保険で利用できる施設サービスは、主に以下の4種類です。

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム/特養)

特養へは原則、要介護3~5の方が入所の対象になります。
(要介護1、2でもやむを得ない事情がある場合は特例入所が認められる場合があります)

この施設は終身利用を前提とした、生活の場を提供する施設です。
終の棲家とも言われています。

比較的費用が安く、人気が高いため、入所までに長期間待機するケースも少なくありません。
ただし、個室と多床室(2~4人部屋)で料金が違い、月で数万円違う場合もあります。

介護老人保健施設(老健)

要介護1以上の方が入所でき、在宅復帰を目指すための、リハビリテーションに重点を置いた施設です。
医師が常駐し、医学的管理のもとで、看護、介護、リハビリテーションなどが提供されます。

あくまでも「在宅復帰」を目的としているため、終身利用は想定されておらず、リハビリテーションのために3~6ヶ月ほどで対処する方が多いです。
もちろん、状態に応じて長期間の入所を勧められる場合もあります。

病院などに入院されていて、退院が迫っているが、自宅での生活はまだ難しいと判断される場合、さらなるリハビリ期間を設ける為に老健を利用することは多いです。

入所費用は特養の個室と同程度、あるいはもう少し高めです。

介護医療院

要介護1以上の方で、長期にわたる療養が必要な方が対象で、医療と介護の両方のサービスを提供します。

「介護療養型医療施設」が、プライバシーへの配慮や看取りへの対応が不十分という課題から、2024年3月末に廃止となり、「介護医療院」に転換されました。
廃止してもすぐに施設がなくなるわけではなく、もともと入居されていた方で、手続き上すぐに介護医療院に移れないなどの人のために、経過措置も設けられています。

医療ニーズの高い高齢者の増加に対応するための施設であり、日常的な医学的管理や看取り、ターミナルケアなどの医療機能と、生活施設としての機能とを兼ね備えています。

特定施設入居者生活介護

上記の4施設以外に、介護付き有料老人ホームなどの特定施設に入居して受けるサービスとして、「特定施設入居者生活介護」があります。

自治体から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた有料老人ホームや軽費老人ホーム(=特定施設)などがあり、入居する要介護者が、必要な介護サービスや支援を受けながら生活できます。

介護保険制度のメリット

経済的負担を軽減

介護には、様々な費用がかかります。

しかし、介護保険を利用すれば、サービス利用料の自己負担は原則1割(所得に応じて2~3割)で済みます。
これにより、経済的な負担が大幅に軽減され、必要なサービスを利用しやすくなるでしょう。これは、介護の大きなメリットです。

例えば、”福祉用具貸与”の中でお話しした通り、車いすを購入しようとすると、安いものでも5~6万円かかります。
これを、通常のレンタルでは月数千円(事業所によっては日割りもあり)、介護保険でレンタルすれば月数百円の支払いで済むのです。

ヘルパーについても同様で、介護保険外でサービス提供している、いわゆるフリーランスの訪問介護事業所はありますが、1回分の利用料に数倍~十数倍の差があります。

介護保険料は必ず支払うものなので、そういう意味でも、介護保険を利用するメリットは大きいのではないでしょうか。

認知症の症状によっては…

介護サービスを利用する中で、ご本人の認知症が原因で、そのサービスのスタッフと何らかのトラブルが起こる可能性があります。

トラブルの可能性が自体は、介護保険内外問わず起こり得ますが、問題は、起こった時の対処法です。

介護保険外サービスのみを利用している場合、ご本人・ご家族と当該サービス事業者の2者でのみやりとりされることがほとんどなので、トラブルが起こっても、この2者間で話し合い、解決していかなければなりません。

ですが、ケアマネジャーには、この2者を仲介する役割もあります。
ケアマネジャーが担当についていれば、トラブル時に相談でき、解決に向けての協力者が増えるということです。

地域包括支援センターなどにも相談できますが、担当ケアマネジャーの方が、あなたとご家族の状況をよく理解できるので、より良い相談相手になってくれるでしょう。

介護保険制度のデメリット

使えるサービスの量に制限がある

介護保険では、要介護度に応じて1カ月に利用できるサービスの限度額が定められています。

  • 要支援1:5,032円
  • 要支援2:10,531円
  • 要介護1:16,765円
  • 要介護2:19,705円
  • 要介護3:27,048円
  • 要介護4:30,938円
  • 要介護5:36,217円

これを区分支給限度基準額(以下、限度額)と言います。
※この数字は1割負担の場合です。

例えば、要介護1の方が、デイサービスやショートステイ、福祉用具などを組み合わせて利用し、利用料が17,000円になったとします。

要介護1の限度額は16,765円なので、17,000円利用では、235円オーバーしていますね。
このオーバーした235円が実費負担となり(=1割負担ではなくなり)、2,350円になります。

つまり、17,000円分のサービスを利用した場合、「16,765+2,350=19,115円」の支払いになるのです。
※限度額にはデイサービスやショートステイの「食費等」は含まれず、実際の支払は「19,115円+食費等」になります。

この限度額に、ケアマネジャーだからわかる落とし穴があります。

先にお伝えしましたが、介護認定は、申請から認定まで、おおむね1~2か月かかります。

この「申請から認定まで」を「暫定期間」とされますが、この間も介護サービスの利用は可能です。

ご本人の現状を見て、ケアマネジャーなど専門家が「この方の認定はおそらく〇〇くらいだろう」という予測を立て、それに沿ったサービス利用計画(ケアプラン)を作ります。

熟練のケアマネジャーほどその予測は当たりやすいとは思いますが、時に、思いがけない認定結果が出てくる場合があります。
100%当たることは、まずないと思っていいでしょう。

もし、ケアマネジャーが「要介護2」と予測を立てて、必要と踏んで18,000円くらいのプランをったのに、結果が「要介護1」だった場合、10,000万円以上の実費負担が発生します。
それどころか、要支援1~2になることもあり得るのです。

なので、慣れているケアマネジャーであれば、「要介護1前後」など、ややアバウトに予測を立て、その最低ラインに収まるようにケアプランを立てると思います。
認定が出るまではそれに従い、その結果十分な限度額を得られたのであれば、今度はそれに沿ってサービスを調整していくことになります。

経済的に不安がある場合は、欲しいままにサービス利用を希望するより、ケアマネジャーとよく相談して、要望と経済面を考慮した、適切なサービスを選ぶと良いでしょう。

事務的な手続きが煩雑

先ほどお話しした通り、介護サービスには、ここまで紹介したような介護保険サービスの他、介護保険の適用外で提供されるものもあります。
保険外サービスにも相応のメリットはあるのですが、保険外サービスのみ利用する場合、ケアマネジャーがつかないことがほとんどです。
(ケアマネジャーに相談して、保険外サービスについて教えてもらうことはできます)

ある程度自立して生活されている方なら、それでも良いかもしれません。

ですが、介護保険サービスが必要になった場合、ケアマネジャーの存在は想像以上に重要なのです。

実のところ、ケアマネジャーに頼らなくても、要介護・要支援認定を受けている方であれば、介護保険サービスの利用は可能ですが、その手続きは煩雑で、個人で利用するには労力が重くのしかかる可能性があります。

そう聞くと、介護保険制度の利用に二の足を踏んでしまうかもしれませんが、ご心配はいりません。

ケアマネジャーを通せば、その手続きの一切をやってもらうことができます。
しかも、ケアマネジャーの報酬は介護保険の中から支払われているので、基本的に利用者側からケアマネジャーに支払う料金は一切ありません。
※今後の制度改正によっては、その限りではありません。

とにもかくにも、介護が必要になった時点で、まずはケアマネジャーに相談してみてはいかがでしょうか。

介護保険は「数ある選択肢のひとつ」

介護が必要になった時、多くの方がまず思い浮かべるのが「介護保険制度」ではないでしょうか。

確かに、介護保険は高齢者とそのご家族を支える重要な制度です。
しかし、介護保険制度はあくまでも数ある選択肢の1つであり、すべての人にとって最適な解決策とは限りません。

大切なのは、一人ひとりの状況やニーズに合った選択をすることです。
自分や家族にとって最適な選択をすることで、身体的・精神的・経済的な負担を軽減し、より良い生活を実現できます。

介護保険制度以外にも、高齢者やそのご家族をサポートする様々なサービスや制度が存在します。

これらを組み合わせて利用することで、介護保険だけではカバーしきれない部分を補い、より充実したサポート体制を構築できます。

ここでは代表的なものをいくつかご紹介しましょう。

介護保険だけじゃない!知っておきたいその他の選択肢

  • 自治体独自のサービス:
    各自治体では、介護保険とは別に、独自の高齢者福祉サービスを提供している場合があります。
    例えば、配食サービス、見守りサービス、外出支援、介護用品の支給など、内容は多岐にわたります。
    お住まいの市区町村の窓口や、地域包括支援センターに問い合わせてみましょう。
  • 民間企業の介護サービス:
    民間企業が提供する介護サービスも多様化しています。
    保険外サービスとなるため、費用は全額自己負担となりますが、介護保険では利用できないサービスや、より柔軟な対応が可能な点がメリットです。
    例としては、家事代行、訪問理美容、旅行の付き添いなど、ニーズに合わせたサービスを選択できます。
  • 家族や親族によるサポート:
    家族や親族によるサポートは、最も身近で心強い支えとなります。
    しかし、介護は長期にわたることも多く、負担が集中しないよう、役割分担や休息の確保など、計画的に行うことが大切です。
  • 地域のボランティアやNPO:
    地域のボランティア団体やNPO法人などが、高齢者の生活支援や交流の場を提供している場合があります。
    気軽に相談できる場所として、積極的に活用してみましょう。
  • 医療保険制度:
    医療的ケアが必要な場合は、医療保険制度の利用も検討しましょう。
    持病の状態によっては、訪問看護や訪問リハビリテーションなどを医療保険で利用できる場合もあります。
    同様に、介護保険で賄えない部分を障害に関する制度で賄う方法もあります。

自分に合った選択をするための3つのステップ

  1. 情報収集:
    まずは、どのようなサービスや制度があるのかを知ることから始めましょう。
    インターネットで調べるのもいいですが、介護保険含め、この分野は一般的に理解が難しいものばかりです。
    市区町村の窓口、地域包括支援センター、ケアマネジャーなどに相談し、情報収集を行うことが重要です。
  2. ニーズの明確化:
    介護を受ける本人と介護をする家族、それぞれのニーズや希望を明確にしましょう。
    「どのような生活を送りたいのか」「どのような支援が必要なのか」「何に困っているのか」などを具体的に洗い出すことが大切です。
  3. 専門家への相談:
    ケアマネジャーなどの専門家に相談し、最適なケアプランを作成してもらいましょう。ケアマネジャーは、「2.ニーズの明確化」で考えた、ご本人の状況やニーズに合わせて、様々なサービスや制度を組み合わせた、最適なプランを提案してくれます。

選択肢を組み合わせ、最適なケアプランで負担軽減

介護保険制度を軸に、自治体のサービス、民間企業のサービス、家族のサポートなどを上手に組み合わせることで、一人ひとりに合った最適なケアプランを作成できます。

例えば、

  • 日中はデイサービス(介護保険)を利用し、夕食は配食サービス(自治体)を利用する。
  • 訪問介護(介護保険)で身体介護を受け、掃除や買い物は家事代行サービス(民間企業)を利用する。
  • 月に1~2回はショートステイ(介護保険)を利用し、家族が休息を取れるようにする。
  • 定期的に訪問看護(医療保険)を利用し、健康状態のチェックと医療的ケアを受ける。
  • 月に数回、近所のボランティア団体が主催するサロンに参加し、人と関わる機会を作る。

このように、様々な選択肢を組み合わせることで、介護を受ける本人のQOL(生活の質)を高めると同時に、介護をする家族の負担を軽減することが可能となります。

まとめ

介護は、ご本人もご家族も大きな不安を抱えがちです。

しかし、介護保険制度をはじめ、多様な支援の手が差し伸べられています。
介護保険の居宅サービスや地域密着型サービス、施設サービスなどを、ご本人の状態や希望、ご家族の状況に合わせて選択・組み合わせ、最適なケアプランを作成できます。

また、自治体独自のサービス、民間企業のサービス、医療保険制度なども併用し、さらに選択肢は広がります。

大切なのは、一人で抱え込まず、早めに専門家に相談することです。
ケアマネジャーは、認定調査や申請手続きの代行、ケアプランの作成、サービス事業者との調整など、強力にサポートしてくれます。

そして、認知症は、適切なケアと環境を整えることで、自宅で改善できる可能性があることも忘れないでください。

「もう歳だから…」と諦めず、希望を持って、一緒に笑顔で過ごせる未来を目指しましょう。

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