「今までは1割だったのに、通知を見たら2割になっていた…」
「サービスを減らすしかないけれど、そうすると私が倒れてしまう」
介護保険の負担割合証が届くたびに、そんな溜息が聞こえてきます。
2026年度以降、これまで「1割」で済んでいた層(年収230万円〜280万円付近)が新たに「2割負担」の対象となる議論が進んでおり、最大で35万人ほどが負担増になると試算されています。
月5,000円だった支払いが10,000円に。
月10,000円だった支払いが20,000円に。
この「倍増」の波を、どう乗り越えればいいのでしょうか。
1. 負担割合が上がった時の「間違った節約」

お金が足りなくなると、まず「デイサービスを週3回から1回に減らそう」「リハビリを止めよう」と、サービスの回数を削ることを考えがちです。
しかし、これは非常に危険な選択です。
- 機能低下の加速:
サービスを減らした結果、本人の活動量が落ち、認知症の症状が悪化する。 - 家族の共倒れ:
プロが関わる時間が減る分、すべての負担が家族の肩にのしかかる。 - 結果的なコスト増:
状態が悪化して「重度」になれば、おむつ代や施設入所費用など、月数万円の節約どころではない莫大な出費が待っています。
つまり、安易なサービス削減は「将来への借金」と同じなのです。
2. コナーズ流:負担割合に左右されない「攻め」の家計防衛

負担割合は、ご本人の「合計所得金額」と「世帯の年収」によって、1割〜3割の3段階で判定されます。
2026年度は特に、これまで1割だった方の一部が2割へ引き上げられる基準の見直しが議論の焦点となっています。
判定のフローチャート(目安)
ご自身や親御さんがどこに当てはまるか、大まかな基準をチェックしてみましょう。
| 負担割合 | 判定基準の目安(単身世帯の場合) | 判定基準の目安(夫婦世帯の場合) |
| 3割負担 | 合計所得金額 220万円 以上 | 世帯の年金+所得が 340万円 以上 |
| 2割負担 | 合計所得金額 160万円 以上 | 世帯の年金+所得が 280万円 以上 |
| 1割負担 | 上記以外(多くの方がここに含まれます) | 上記以外 |
「合計所得金額」とは?
年金収入だけではなく、不動産所得や株の配当なども含まれます。
逆に、年金控除などを差し引いた後の金額で判定されるため、実際の「受取額」とは異なる点に注意が必要です。💡 あわせて読みたい
負担割合(%)が気になるのは、月々の総額がいくらになるか見えないからですよね。在宅介護で発生する「隠れたコスト」の正体と、それを根本からカットする考え方について詳しくまとめています。
[在宅介護の費用と支出を減らす投資術]
なぜ「世帯合算」が重要なのか?
負担割合の判定には、同じ世帯にいる65歳以上の方全員の所得が影響します。
例えば、本人の所得が低くても、同居している配偶者に一定以上の所得がある場合、世帯全体で「2割負担」と判定されるケースがあります。
「うちはギリギリのラインかも…」という方は、毎年7月頃に役所から届く「介護保険負担割合証」を必ず確認してください。
そこに書かれた数字一つで、翌月からの支払額が倍になるかどうかが決まります。
家計を守るコストカット術
私たちは、制度(%)を変えることはできません。
しかし、「介護の必要量」そのものをコントロールすることは可能です。
たとえ負担割合が2倍になっても、本人が改善して「要介護度」が下がったり、手厚いサービスが不要な状態になれば、家計の総支出はむしろ抑えられます。
| 改善によるコストカットの例 | 具体的なメリット |
| 排泄の自立(脱おむつ) | 月額5,000円〜1万円の消耗品費が消える |
| 歩行機能の回復 | 介助負担が減り、高額な「全介助」のオプションが不要になる |
| 夜間の不穏解消 | 家族の睡眠が確保され、ショートステイなどの緊急利用を減らせる |
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支払うお金が増える一方で、条件を満たせば「もらえるお金(慰労金)」があることをご存知ですか?
ただし、この制度にはケアマネの視点から見て「非常に残酷な条件」も存在します。
[家族介護慰労金の仕組みと残酷な条件とは?]
3. 今日からできる、支出を減らすための「4つの基本ケア」

負担増に負けない身体を作るために、まずは以下の「土台」を整えてください。
これができれば、高額なサービスに頼り切る生活から脱却できます。
- 水分摂取: 1日1,500mlを目安に。脳が活性化し、パニックや興奮が落ち着きます。
- 栄養: 身体を動かすエネルギーが整えば、リハビリの効果も倍増します。
- 排泄: 下剤に頼らず自然な排便を促すことで、脳の不快感を取り除きます。
- 運動: 「歩く」ことで脳の血流を上げ、認知機能の低下を食い止めます。
「認知症は治らないから、お金を払って維持するしかない」という常識を疑ってください。
正しいケアを行えば、症状は改善し、介護にかかるお金と手間は劇的に減らしていくことができるのです。
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負担割合に負けない家計を作る鍵は、本人の自立度を上げることです。
私たちが提唱する「4つの基本ケア」が、なぜ認知症改善の土台となり、結果として家計を救うのか、その理由を解説します。
[重度化を防ぐ「4つの基本ケア」とは?]
エピローグ:制度に振り回されない「自由」を手に入れる
負担割合の変更は、確かに家計にとって大きなショックです。
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【この記事を書いた人】
菅原 浩平(すがわら こうへい)
リコケア コナーズ共同代表 / ケアマネジャー・介護福祉士
「お金を払って維持する介護」から「改善して自由を得るリハビリ」への転換を提唱。
【監修者】
菅原 嘉奈(すがわら かな)
リコケア コナーズ共同代表 / 認知症リハビリテーション専門士